【ネタバレ】ポルノグラフィティ「FCUW6」高松公演 ライブ感想

ポルノグラフィティ
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まえがき

2025.10.19.
瀬戸内サーベルタイガースさん、もといポルノグラフィティFCライブ「FCUW6」が開催された。

ラバッパーになってから今年で8年。初めてのFCUWの感想を書いてみようと思う。

高松公演のネタバレになりますので自己責任でお読みくださいませ。

 

開演前

会場は高松市にある「Festhalle」。いつぞやbacknumberのFCライブで来た以来だから、かれこれ10年くらい前の話だろうか?

「この駅ビルだけ異様にデケェな」とか「やっぱうどん屋さんが多いんだな」とか。四国という異国の地で受けたカルチャーショックが不意にフラッシュバックしてた。

13:30〜。
いつのまにか形成されてたグッズ列に並び、脆弱なアスマートくんのせいで買えなかったポルノTも無事確保。

開演まで残り少ない時間で四国を堪能することに。爆速でうどんをすすり、爆速で栗林公園を駆け回ったりなどしておりました。絶対時間ある時に来るべき場所だったと思う。

あと、やっぱり女性ファンが多いんすね。普段を「6:4」とするなら、今回は「8:2」くらいの感覚だった。

17:00〜入場開始。
見た感じ600番代が最後列。ザッと700人弱くらいがライブ参加人数だったんじゃないかと思われる。

17:50〜場内へ。
両サイドにジャマ存在感のある柱がそびえ立つ会場内。以前は無かったような気がするけど、柱裏モニターの存在は有り難かったな。だいぶ世話になった。

ステージに目を向けると「foo?」のジャケット色の幕があって、「Funclub」やらなんやらと書いてある。場内は終始「ティリリティリリ」と、『INNERVISIONS』チックなSEが流れていた。

僕にとって「FCUW」は「神話」くらい遠い言葉だった。はるか昔にあった、なんかスゴい出来事。そんくらい他人事。正直この時はまだ実感なかったかな。

18:00〜
「ここ高松では初めてのFCライブ!香川のうどんのようにコシのある声援を~」

みたいなご当地アナウンス後、照明が暗くなる。スクリーンにはアルバム収録曲のタイトルが次々と浮かびあがり、最後の最後『foo?』の文字が映し出され、大きな歓声が上がる。

「ポルノ20周年展にこんなゲームあったなぁ……」みたいな既視感を感じつつ、一向に途切れない「ティリリティリリ」の電子音。

「9割9分コイツが開幕曲だろう」という予想が「100%の確信」に変わった瞬間だった。

 

本編

1ブロック

開演前のSEからシームレスに『M1.INNERVISIONS』へ移行。「布バッサーン」系の登場、いつ味わっても良き。圧倒的開幕曲すぎる。一瞬で揃ってた客席の大クラップも、なんとも心地よかったね。

やはり「ライブ映え」というより「ライブハウス映え」する楽曲だなと思った。頑張れば声が届く、いや、間違いなく届く。そんな至近距離で

君の声をいつも僕にまっすぐ届けてくれ
この胸を奮い立たせるほとばしる情熱を

こんなこと言われて、アツくならないのは無理がある。いま、この胸は震えていた。Take me some more vibration.

2サビの「ハイヤ~~~!!」をやたらテンション高く歌ってたから、とりあえず人差し指の先っぽをブルブルさせときました。

いま思えば「お前ら歌え!」っていう煽りだったような気もする。

 

続けざまに『M2.グァバジュース』。昭仁さんが楽しそうにタンバリンしてたのってこれだったっけ?

男性アーティストが歌う「ダサい男の歌」ってやつには無限の需要があるんです。なぜなら、この世にはママチャリのような男がごまんといるからだ。

とにかく情けない歌だけども、昭仁さんが歌えば……あらっやだ……カッコイイ…………ぼく…ママチャリのままでいいや………

「Fo Foo」のコールはわりとまばらでしたね。

MC①

初っ端のブロックは、ツアー最少キャパ(?)らしい会場のミチミチ具合を語っていた。

晴一「そっちもミチミチじゃけど、こっちはこっちでミチミチじゃけぇね!」

そう言うて”ギターが上手やら下手やら色々な場所から出てくること”を嘆いてました。

昭仁さんだけ「ワンルーム(実際は一畳半くらい)」くらいのスペースを与えられていることにも文句言うてました。

 

2ブロック

昭仁「えーライブも序盤ですが、ここがピークです。本当に長い間ホントに愛してもらって……」

みたいなMCから紡がれたのは『M3.サウダージ』。

マイクを離してアカペラ歌唱。それなりに披露されてきたスタイルだけれども、ここはアリーナでもなければホールでもない。ライブハウスだ。言葉尻の細かなニュアンスが、僕の席からでも堪能できた。

声を張る分、原曲よりも”瑞々しく”。
されど、決して”青く”ない。

いつぞやの解析動画じゃないけれど、何度も痛感してきたけれど、本当にいい声。この人の声に飽きる日なんて来るのだろうか。限りなく生音に近い歌声を聞き漏らすまいと、目をつぶってひたすら傾聴してたね。

そのせいではあるんだけど、サビで客席後ろから聞こえてきたコーラスに「誰か気持ちよくなってるやん」ってビックリしちゃったんすよ。

どう考えてもスピーカーから流れてた皆ちんのコーラスでした。そんないい声だったんすね、あなた。

そこから『M4.愛なき…』。直近では弾き語り披露のあった楽曲。いまさらながら『サウダージ』→『愛なき…』の流れに感服していた。

本ツアーに参加するにあたりアルバムを聴き込んでみたけれど、『WHO?(foo?)』というタイトル通り、すごく内省的なアルバムだと思った。

この2つの悲恋の歌だって「恋心」との対話でしかないんだし、改めて「アルバムを聴く」という意味を体験したような気がする。

 

3ブロック

『M5.オレ、cupid(オレ、天使)』
『M6.サボテン Sonority(サボテン)』

ここらへんの流れが“如何ほど貴重だったか”についてはサトシさんのブログを読んでいただければと思います。いつもの如く詳細まで書いてありますので。

何の予備知識もなかった私からは、

 

「はぇ~キューピッドって言うてるわぁ」

「おぉ~ラスサビ長ぇし空あっおww」

「うわぁ~サボテンの過去形のやつ!……あれっ何だっけ?…Spotifyみたいな……」

 

くらいのしょうもない感想しか出てきません。

『Sonority(反響性)』な、忘れるまで覚えとけ。  

 

「わからない」で終わらない 知れば聞こえてくる
受け取るメッセージが わたしを彩るのです
『わたしルネサンス』

 いくつかあるライブレポを読んでみて、やはり僕には”知識が足らない”ことを痛感した公演だった。

FCなら徹底的に網羅しなければならない、なんてことを言いたいわけじゃない。どれだけ欲しても「無知」は手に入らないのだから、それはそれで大切にすべきステータスだと思ってる。

それを踏まえた上で「わかりたい」と発奮できたのは、本公演の収穫だったと思う。

点と点がつながる高揚。
憧憬が光景にかわる歓喜。

メッセージに触れた衝撃や、俗にいう「忘れ物回収」の愉悦。それは僕みたいな末席に名を連ねる人間に、より多くを与えられた”特権”なのだ。

今回その感動が味わえなかったのは残念だけど、まぁ近いうちにFCツアーしてくれることでしょう。

流暢なスペイン語で歌う「邪険にしないで」とかいいんじゃないでしょうか?

 

怒涛のブロックは『M7.Name is man ~君の味方~』で〆。なんか妙にホッとした。

直後のMCのとおり、今の時代には沿ぐわない歌詞だろうし、今の昭仁さんが歌うにはちょっとクサすぎる。

まぁそれでも聞き惚れさせてしまうのだから、やはり昭仁さんの声力は異常。ボーカル界の範馬勇次郎。

 

MC③

『Name is man ~君の味方~』は今の時代には合わないよね~って話から、「そもそもワシら(ポルノグラフィティ)がそれ言う?」みたいな話題へ。

「ポルノグラフィティというアーティスト名を外国人(晴一)に説明する昭仁さん」の寸劇を挟みながら、最終的には「改名すべき」という流れへ。

「瀬戸内ボーイズ」やら「瀬戸内サーベルタイガース」なるカッケー改名案が飛び出してた。「瀬戸内」じゃなくて「しまなみ」だったかも。

まぁどっちでもいいか。そもそも「瀬戸内」と「しまなみ」って何がちがうんだろう?

 

4ブロック

昭仁「次に披露する曲は20年ぶり?(とにかく久しぶりみたいなニュアンスでした)の曲です」

そう言って披露されたのは
『M8.デッサン#2 春光』。

オーケストラに対して「眠たくなる」って誉め言葉があるじゃないですか?めっちゃリラックスできる、的な意味合いで使うやつ。

純然たる誉め言葉としてメッチャ眠くなった。ロックバンドに使っていい誉め言葉かは知らんけど。

 

アルバム中で最も”若く”聞こえた楽曲だったけれども、現在の昭仁さんが歌ってもそれは変わらなかったように思う。

円熟味を真綿で包んだような柔らかい歌声が、会場に漂っていた。

 

FCライブ企画

昭仁さんは”喉を潤すため”に一時離脱。晴一さんからFCライブ企画「超難問ポルノフレーズ当てクイズ(うろ覚え)」のタイトルコール。

昭仁さんも戻ってきて、とりあえず例題から。回答者はマネージャーさんかな?

答えは『ネオメロ(だったはず)』のイントロだったと思うけど、1回目の回答が『メリッサ』、2回目の回答が『わっかりっませ~ん』みたいなおチャラけたカンジ。

昭仁「多少ふざけていいとは言いましたが、そこまでしていいとは言ってません」

わりとガチトーンの注意に聞こえたけど、終演後に怒られたりしたんかな?

 

普段のライブの客席煽りでさえ戦々恐々している身としては、もう気が気じゃなかったね。「ごひゃく~」って言われる度に神聖なムーブぶちかましてた。

1.幸せについて~ イントロ
→3回目で分かった

2.アポロ 間奏
→3回目〃

3.ROLL 落ちサビ
→3回目〃

4.Mugen アウトロ
→分からず

自分がいかに雰囲気で曲を聴いているか、を思い知らされたね。

高松公演は「1,2問目正解者なし」だったけど、まぁ仕方ないと思う。ちょっとあの雰囲気はムリ。「えぇ~」とか言われたら心折れるもん。

 

5ブロック

わりと悲壮感の漂った高松会場は、『M9.ミュージック・アワー』で大盛り上がり。パブロフのMアワ。流石の練度である。手首だけでコマンド入力してた自分を褒めてあげたい。


続いては『M10.空想科学少年』がなんか凄いアレンジでご披露。

よく言えば”清廉”、悪く言えば”キレイゴト”。

原曲に感じる潔癖で近未来的な響きはまったく感じられないアグレッシブなアレンジだったと思う。

人間に唾吐きつつ、最後には青空を広げた『オレ、Cupid』。

誰もが傷つくことのない理想郷を、否定的なサウンドで奏でた『空想科学少年 アレンジver』。

機械仕掛けの神様も予定調和もないこの世界で、誰もが傷つき傷つけ合う現世ディストピアで、生きていく意味を問われた気がした。

なんとなく両者には似通った思想、
「捨てきれない人間ポンコツへの愛着」みたいなものがあったんじゃないかと思う。

 

僕らは脆い。

脆いからこそ、郷愁は時代を超えて愛され続けてきた。恋心に臆病風を吹かすから、夏は熱を帯びてきた。

もし僕らが完璧であれば、寂しいと大丈夫のシーソーゲームも、渚へ誘うロックバンドも、ポルノグラフィティとかいう唯一神も、無用の長物でしかないのだ。

内省的だった本アルバムに対するアンサーとしての「自己肯定」ならぬ「人間肯定」

直近のポルノが掲げてきたメッセージにもつながるような、思想の濃いアレンジだったように思う。なんかジョジョみたいな結論になっちまったな。

もし仮にそういう流れだったしたら、『M11.Report21』,『M12.夜明けまえには』。この2曲にもまた違った文脈が感じられるんじゃないかな。

『Report21』はあんなに盛り上がれる曲だとは思わなかったね。いちばん新鮮に聞こえた楽曲だったと思う。

MC5?だったっけ?

何故か「CDに入っていたオフボーカル版」についての話が盛り上がってた。

晴一「当時のCDレンタルの約束事で”アルバムは2週間後”みたいなやつがあって、カラオケ版は0.5曲換算だったんよ。じゃけぇ、A面+B面+カラオケ版で2.5曲だから…………あれ?何かおかしいな?」

昭仁「あー分かった分かった!カラオケ版は0.5曲換算なんじゃろ?じゃけぇ、A面+B面+カラオケ版で2.5曲だから…………あれ?何かおかしいな?」

みたいな要領を得ないやりとりをずっとしてた。たぶん2人もサポメンも客席も( ゚д゚)ポカーンなってたと思う。

調べたカンジ、おそらくCDレンタルに

・アルバム(3曲を超える?)-2週間後
・シングル(3曲以下?)-即日可

という制約があって、レーベルとしては”アルバム”で貸し出したい。

だから、A面+B面2曲+カラオケ版=3.5曲でリリースしてましたよ、って話だと思います。

 

『M13.THE REVO』

昭仁「アニメも大盛り上がりみたいで、改めて最初と最後のオープニング主題歌を歌えることに感謝しています。」

唐突に出てきた「アニメ」の3文字でソワソワしだした会場に感動しつつ、先んじて浴びられる喜びを全身で噛み締めていた。

昭仁「インタビューかなんかで言うたんじゃけど、もともと最後のコーラスはシンガロンにしてたんです。まぁ色々あって無くなったんじゃけども……でも、歌える人は歌ってほしい。わしも出るか不安だから…………まっ、出ると思うけどね。」

我、唐突出昭仁所持歌唱人矜持、好!!

 

昭仁「最初のフレーズは”神聖なムーブ”です。つぎは?」

\サイレントボイス/

昭仁「声ちっちゃwwホンマにサイレントボイスじゃねww最後はww?」

\THE DAY HAS COME/

 

「普通の人は喉にCD音源はいってないし怪獣みたいな声も出ませんよ」って出かかった言葉はぐっとこらえて、本公演最後の曲が演奏され出した。

20年以上前のアルバムをひっさげた本ツアー最後の楽曲は『M13.THE REVO』

まごうことなき、ポルノグラフィティの最先端だ。

 

正攻法じゃ繋がれないパラレルがあるさ

本ツアーは“『foo?』のパラレル世界”みたいなコンセプトだったんじゃなかろうか、と帰りの車中で考えていた。

ディスプレイ越しに足を引っ張り合う惨状を見られて「所詮、人間なんてこんなもんだろ?」。ドヤ顔天使に言われてやいないだろうかと。

「傷」という言葉に嫌気が差すほど敏感な西暦2025年を、あの日ユートピアを空想していた少年は、どうまとめあげるのだろうかと。

「やっぱりロボットになるべきだった。」なんて尖ったレポートを書かれるような気がしてならない。 

手を取り合っているようで、その実、足を引っ張りたいだけ。

“協調性”やら”秩序”とかいう「首輪」がお好きな僕らに、ポルノグラフィティが叩きつけた凱歌。

とかく”他者目線”を強要してくる全体主義らに掲げた、『個人主義』の反旗。

生き生きと自分を謳歌せよという勅命。

僕はそう言われた気がした。それだけの推進力を感じた一幕だった。

直近のポルノグラフィティが描いたストーリー、その”集大成”だなと改めて思う。

毎回集大成だなーって思ってんすけどね。Plus ultraがスゲェんだ、この人ら。 

 

不思議な感覚だったな。

ここで聞けてもちろん嬉しかったのだけど、それと同程度にライブハウスここじゃねぇな」とも思った。

もっと大きなステージで、もっと多くの人に届けべき。

それだけスケールの大きい楽曲だと思った。

 

ありがたいことに、年末にもう一度お会いできる機会に恵まれた。

昭仁さんとの約束も蚊の鳴くような声でしか果たせなかったのだから、次こそは俺史上最高の喉コンディションでリベンジしようと思う。

特大のシンガロン、ぶちかましたりますよ。

 

昭仁さん、自分いけます!

THE REVO歌えます!!

年越しは僕に任してください!!
(クソでかサイレントボイス)

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