まえがき
先日の生配信にて麗花さんの主演公演が発表されました。めでたいことなので「最強のぴらみ砲」を決めたいと思います。
一応説明しますと、ぴらみ砲とは
『花ざかりWeekend✿』のラスサビにて麗花さん(平山さん)が放つロングトーン、あるいはフェイク
のことである。
「アイドルマスター楽曲メモ」様によると、2025年現在、『花ざかりWeekend✿』ライブ披露回数は全12回。
今回は
・現在確認できるもの
・平山さん自身のぴらみ砲
という条件をクリアした、9つのぴらみ砲について考えます。
なお、ぴらみ砲だけでは順位付けに困る場面があったため、落ちサビも評価対象範囲としています。
それでは。
第9位
「2018 ミリシタ感謝祭」
二連式ぴらみ砲
まずは「2018 ミリシタ感謝祭」のぴらみ砲がランクイン。ぴらみ砲の歴史を語る上で、この型式を避けて通ることはできません。本型式が2度目のライブ披露となります。
いえええええええいえええええええ
今では多段射出が当たり前となったぴらみ砲。今日に至るまで数多くのぴらみ砲が実装されてきましたが、
「多段砲」
の概念を植え付けた記念すべき一発。それがこのぴらみ砲であり、ここからぴらみ砲の飽くなき挑戦「空にぴらみ砲が触れる作戦」が開始されたのです。
打ち上げる拳、撃ち終えた後の安堵の笑み。平山さんがこの挑戦に込めた熱量や期待感も随所に漏れており、なんとも爽やかなぴらみ砲。
初披露から短期間でチューニングしてくるところも含めて、この頃からぴらみ砲へ並々ならん情熱があったことが分かります。
今だからこその物足りなさも感じますが、単発しか知らない当時のPからしたら凄まじい衝撃だったであろうことは想像に難くありません。
「もし僕がこの時ミリPだったら……」
そんなことを考えると身の毛がよだつ、あまりに無慈悲なぴらみ砲でした。
第8位
「6th An DAY2」
二連式ぴらみ砲
現状、最も使用回数の多い型式。
それが、二連式ぴらみ砲です。
性能については9位と同等。半年ほどラグはありますが何回聴き比べても違いが分かりません。ただしく「喉からCD音源」である。
8位同率としてもいいのですが、フルメンバー・ユニット衣装での披露だったことを踏まえて、この位置とします。
第7位
「2020~2021 ミリシタ感謝祭」
四連式ぴらみ砲
2018年あたりの花ざかりラッシュから間隔をあけてのぴらみ砲。出力について特筆すべきものはありませんが、「個性派ぴらみ砲」としての地位を確立した型式です。
いええええいえええいええいええええええええ
注目すべきは4段目の中盤。ロングトーンが消えたかと思いきや急上昇する、通称「アッパーぴらみ砲」が繰り出されています。現状、唯一の型式です。意図したものかマイク絞られたか。事実は神のみぞ知る所。ニコニコ動画あさってご自身で確かめて下さい。
平山さんと言えば「奥行きのある伸びやかな歌声」が最大の武器。その武器にあえて強弱をつけてインファイトに持ち込む様は老獪なプロボクサーのそれです。歴戦のぴらラー(ぴらみ砲なしで生きていけない人達のこと)ほど脳みそ揺さぶられたこと間違いなし。
数多のぴらみ砲を放ってきたからこそ光る、テクニカルぴらみ砲でした。
第6位
「5th DAY1」
単発式ぴらみ砲
ぴらみ砲の初お披露目、5thライブがここでランクイン。段数としては単発。原曲に比べてロングトーンが伸びているという特徴はあるものの、今となってはかなり控えめな印象を受けます。ではなぜこの位置にランクインしたのでしょうか?
ぴらみ砲といえば「圧倒的な出力」が最大の魅力。しかしその陰には、それを支える堅固な土台、安定した「歌唱力」があることは言うまでもないでしょう。
しごできなPがこんな動画を作ってくれています。試しにぴらみ砲を聴き比べてみて下さい。どのシーンを並べても
「入りがまったく同じ」
であることが分かるかと思います。土台がしっかりしているからこそ、ぴらみ砲はブレることなくピンポイントで鼓膜を爆撃できるのです。平山さんが育んできた「歌唱力」の土壌。そこに実った果実こそが、ぴらみ砲という「成果」なのです。
初めてのぴらみ砲、その最大の特徴は、
「その土台に揺らぎがあった」という点に尽きます。
イ”イエッ ライクアッ マジック♪
ぴらみ砲にしては珍しい、濁った「イ”」が聴けるのは本型式が唯一。初披露の緊張感、外せないプレッシャー、ぴらみ砲を人様に向けることへの恐怖。様々な要素を感じる「イ”」ではありますが、私には伝わってくるのです。
平山さんの「アタイ、やってやんよ!」の威勢のよさが。
僕は平山さんがたまに出す”ガラの悪さ”が好きです。花も潰さぬような声でお出しされる単車乗り回してそうな品性が大好きなんです。この「イ”」には間違いなく滲んでいます。平山さんの内に秘めたる攻撃性が。
初々しくも我の強い、アグレッシブぴらみ砲でした。
第5位
「10th Act-4 DAY2」
六or七連式ぴらみ砲
ミリオンスターズ39名が揃った伝説の「Act-4」。その祝祭に、高らかに鳴り響いたぴらみ砲がここで登場です。
いえええええい いえいえいえいえいええええ
細かにリズミカルにブーストしていくのが本ぴらみ砲の特徴。それもそのはず。段数は現状最多となる6(or7?)段。この晴れ舞台で「最高更新」に挑んできた平山さんの覚悟に胸が熱くなります。段数が定かでないのは耳キーンなるせいで正確なリスニングができないからです。
過去型式に比べると「余裕感」は薄く、全面的に「気持ち」を感じる仕上がり。技巧よりも咆哮、といった言葉が似合う力強さを感じます。
平山さんでさえ限界領域の最終段は、もはやシャウト。イルカさんが寄ってくるのも納得の「超音波」といった趣です。こころがつうじあうってステキやいね。
ミリオン集大成のライブでの披露となった本型式。本来であればもう少し順位を上げたい所ですが、
「あまりに超音波すぎて人間の可聴域を超えている」
という点を踏まえてこの順位といたします。低音すぎてマイクに拾われない速水奨みたいな不憫さ。
人類には早すぎる、ロマン溢れるぴらみ砲でした。
第4位
「6th An DAY1」
二連式ぴらみ砲
ぴらみ砲とは一騎当千。
たった一基で十分な威力を発揮する代物です。
ただ恐ろしいことに、その脇を固める”コーリー、スージー、ミーナー”の3人もまた、恐ろしいほどの歌唱力の持ち主なのです。
ぴらみ砲を筆頭とした声帯兵器群、4Luxury。その圧倒的Vo力性はまさに「ミリオン界の空母打撃群」。そう言って差し支えない戦闘力を有しています。
本ぴらみ砲は、第8,9位の型式とそう違いはありません。あいかわらずCD音源なので。
この順位にしたのは“サブウエポンの差”。特に高橋さんの
このぉ んま”ぁぁ ま夢をみせて
この「ま」がすんごいやんばいのです。
この「ま」には、原曲以上の悲哀があります。「24歳 一般成人女性」のくたびれ感が、「自己肯定感低め女子 馬場このみ」の湿度がムンムンと漂ってくるのです。漂ってくるからこそ
「このまま夢をみせて」
この一文に、こちらも頭抱えたくなるほどの“重たさ”が出てきてしまう。その重たさがあるからこそ、何もかもを吹き飛ばす“ぴらみ砲の解放感”が映えるのです。抑圧なくして、解放のカタルシスはありえない、ということですね。
本ランキングの趣旨とはズレますが、ぴらみ砲に至るまでの下地作り。いぶし銀な仕事ぶりに敬意を込めてこの順位といたします。
このみPにはぜひ聴いていただきたい、究極の「ま」でした。
第3位
「6th SP DAY2」
四連式ぴらみ砲
6thツアー最後の披露となった型式。フィナーレにふさわしく「2→4連」と大幅なチューニングを施したぴらみ砲です。あまりの威力に「楽屋の醤油がこぼれた」という逸話があるとかないとか。
いええええ いえええいええええええいえっ!
語頭に合わせて雄々しく放たれる3発。それだけでも十分ですが、「weekend」のフレーズ終わりに放たれる最終弾の力強さたるや。出し切ったと油断した所からもう一段ギアを挙げる姿は鳥肌もの。
やりきった表情や底知れぬ肺活量、過去イチの出来映えを称えて「前期ぴらみ砲の集大成」の呼び声高い傑物です。
以前、私が敬愛するロックバンドは「ツアーの最初と最後でライブは別物になる」といったツアー公演の難しさと楽しさを語っていました。
ぴらみ砲もまた同様なのです。
初披露から数えて5回目、日数にして477日。平均して「0.6段/回」、「0.00628段/日」ずつ、ぴらみ砲は成長したのです。
ぴらみ砲の真の恐ろしさ。
それは出力でも、安定感でもなく、
「平山さんの飽くなき探求心」
に他なりません。
無限大の可能性を感じてしまう、ぴらみ砲でした。
第2位
「バンナムフェス1st DAY2」
四連式ぴらみ砲
開場は東京ドーム。日本最大級のキャパだろうと、その威力は留まることを知りません。型式としては第3位「6th SP DAY2」と同系統の四連ぴらみ砲となります。四連ぴらみ砲の層の厚さは異常。
いええええ いえええいえええいええええっ!
第3位との違いは4段目の入りの位置。前者が「end」終わりだったのに対し、本型式は「end」頭に放たれる形式を取っています。
正直3位と甲乙つけがたい出力なのですが、「痒いところに手が届くぴらみ砲」とでも言いましょうか。リズムよく刻まれるぴらみ砲がたまんなくキモチいい。そんな理由で、第2位とさせていただきます。
第3位が隠されたギアをお出しされた高揚感によるものであるとするなら、この型式にあるのは「ぴらみ砲が順当に進化したらこんなカンジだろう」という納得感。立たなかった世界線のガオガエンが、このぴらみ砲なのです。
また、バンナムフェスと言えばミリP以外も多く集まるフェス形式の場。そんな事情を鑑みても、シンプルなぴらみ砲ほど分かりやすいというメリットもあるでしょう。
TPOを弁えたぴらみ砲の使い分け。ぴらみ砲捌きの熟練度も加味して、本ぴらみ砲を第2位とさせていただきます。
万人にオススメできる、王道ぴらみ砲でした。
第1位
それでは、いよいよ第1位の発表です。
栄えある第1位、「ぴらみ砲オブぴらみ砲」の称号を手にしたのは――。
「MOIW2023 DAY2」
五連式ぴらみ砲
アイマス初となる全5ブランド合同ライブ「MOIW2023」。その最終盤で燦然と輝き放った本型式となります。
そもそも、この日の平山さんは絶好調だった。もう心配になるくらい絶好調だった。それを踏まえてか、本型式はこの時点で最多となる五連砲。
数値的にもパフォーマンス的にも、この時点の平山さんが出せる最高傑作のぴらみ砲なのです。
いえええいえいいえいいえいいえええええええ
絶好調の喉力に物言わせたぴらみ砲は「やんばい」の一言。大きさ、高さ、ノビ、リズム、気持ち。そのどれもが一級品、「ひとりオーケストラ」とも呼べる勇壮なハーモニーを奏でているのです。ぴらみ砲を聴けば叫びたくなるのがPの性ですが、この時ばかりは10分くらいスタンディングオベーションしてた。
特にリズムがすばらしい。小気味の良さが強調されるおかげで、その後のロングトーンがより際立っている。第2位でも述べた王道感をブラッシュアップした、焦らして焦らして焦らして焦らして、はいッドーン!!なんとも収まりのよいぴらみ砲に絶頂も止むなし。
また、焦らした末のフェイクはぴらみ砲としては珍しい「下げる」アレンジ。このアレンジに、私は”ぴらみ砲のあるべき姿”を突き付けられてしまいます。
フェイクとは感情表現の技法。
であれば、ぴらみ砲とは”自由”でなくてはならないのです。
本型式には、平山さんの感情がこれでもかと乗っています。「ただ出したいように出した」といった素軽さが存分に感じられるのです。
出力の観点において「ぴらみ砲の到達点」ともいえる本型式ではありますが、「感情の代弁者」という観点でも随一の出来だと思います。
アイマス節目のライブにふさわしい、最高のぴらみ砲でした。
おまけ
最後におまけとして“本編に出てこなかったぴらみ砲”もあるので、簡単に紹介させていただきます。
「9th DAY2」
駒形式ぴらみ砲
(通称:ベイキャノン)
平山さんと双璧を成す歌唱力の持ち主、駒形さんによるぴらみ砲。筆頭同士のぴらみ砲リレーに男塾的な熱さを感じます。ラグジュアリーな雰囲気は微塵もないリミックスだっただけに、駒形さんの重く、アツい歌声が良く映えます。落ちサビに入ってから徐々に荒ぶっていく「ドュンドュン」がヤバい。
「花ざかりWeekend✿
〈馬場このみ ver.〉」
高橋式ぴらみ砲
ソロコレ収録曲。全体的に22歳くらいの歌声が印象的。スタッカートの効いた「イッツ ライクア マジック」が愛くるしく、特に丸まった発音の「るあいかッ」が愛おしい。
「花ざかりWeekend✿
〈豊川風花 ver.〉」
末柄式ぴらみ砲
ソロコレ収録曲。全体的にハッチャけた歌声が印象的。地声で張り上げる「このぉ んまあ↑」が何かに目覚めそうな出来。こういう路線の風花さんソロ曲の開発が待たれる。
「花ざかりWeekend✿
2 Luxuury ver.」
たかはし式ぴらみ砲
あずささん,貴音によるカバー楽曲。型式としては「5th DAY1」に近い原曲ライクな単発式。シンプルなロングトーン故にあずささんらしい品の良さが堪能できる逸品。やや控えた印象もありますが、ライブ披露があれば多分すごいのが出てくることでしょう。
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