まえがき
「いいライブとは?」
この問いに対する答えは様々あると思う。
私がひとつ挙げるとするなら、
それは「妄想を語りたくなるライブ」だ。
たとえばMOIW2023。これなんかまさに「いいライブ」だった。
終演後にもちろん公演の感想が溢れてはいたけど、それと同じくらい「○○と△△と□□で××を歌わせたら……」みたいな妄想がXに跋扈してたから。
「受け取るものが大きいと、あふれた分は”妄想”に化けるんだな~」
たぶん1週間くらい続いていた百鬼夜行を面白おかしく眺めながら、そんなことを思ったのを覚えている。
勝手に妄想があふれて、早口で未来を語りたくなる。
そういう期待感を与えるのが、私の考える「いいライブ」。
THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 12thLIVE
DAY1 ありのままに。
DAY2 Let’s Sing!
ミリオン単独としては1年半ぶりのライブ、そして、ミリオン初の挑戦「主演公演制」がスタートした。
感想はこれからおどろおどろしく書いていくとして、最初にひとことだけ総括を述べたい。
「本当に、いいライブだったな」と――
開演前
小雨が降ったりやんだりの空模様だった調布市。
舞台となった京王アリーナTOKYO(旧:武蔵野の森総合スポーツプラザ) はミリオン8th以来の会場。
そして、私にとっても思い出深い「初ミリオンライブ現地」の会場だった。
「昨日のことのように……」なんて言えるほどの記憶力は持ち合わせていないけれど、そこは初現地。会場に着いた瞬間、色々なことを思い出した。
今日と同じような曇り空だったこと
当日のミリシタ課題曲がウンババだったこと
「パンフレットが5000円もすんの!」と映画館気分で物販に並んでいたこと
飛田給駅前のパチ屋で高須クリニックうって15000円負けたこと
マジでどうでもいい記憶だけがフラッシュバックしてた。
入場は16:15。
わりとギリギリに到着したものの、席はアリーナB5ブロックという良番。紅白応援Vしたら何組になるべきか悩まなくちゃならないくらいのド真ん中だった。
16:20。開演前BGMの
『BNT』→『夢にかけるRainbow』が流れ出した。
「私たち」ではなく「私」たち。
ふと、このキャッチコピーを思い出してた。
当時のミリオンにしては尖った、「個」を描いた周年曲『夢にかけるRainbow』。
だけど今なら何の違和感もなく聴こえる。
それだけ鍛えてきた「個」が、積み重ねてきた「1」が、いまのミリオンライブにはある。
そう思えたからだ。
たとえば小さな蕾
ずっと抱きしめてた その色を見つけて
何者でもなく、何色でもない。
だからこそ、可能性でしかない。
9thライブは徹底的に「1」を描いたライブだったけれど、その手前の「0」についても触れたライブだった。
あの日高鳴った「0」という可能性は、今日ここに「12」を刻み、これから「主演公演」という形で花ひらいていく。
8thから復帰した自分のミリオンライブ史を振り返りながら、「わりといいタイミングで戻ってきたもんだな」と、しみじみ開演の時を待っていた。
こういうエモいことだけ思い出してほしいもんですなぁ
いつもながらの社長と美咲ちゃんの開演宣言後、響いてきたのはリズミカルなOvertureと深緑の生い茂る爽やかムービー。
ピンボケ&手ブレのエモーショナル画角に次々と映し出されるアイドルと、それに合わせて飛び出す素っ頓狂な声。
毛先を映したかと思えば引きに引いたカメラワークに焦らしに焦らされた挙句、本日の主演
北上 麗花
がスクリーンいっぱいに映し出され、今日一の歓声が上がった。てか最後らへんの
デッ!デッ!デッ!デッ!デデデデデデデデ!!
これメッチャ興奮したわ。アドレナリンヤバかったぁぁぁ
M1.空に手が触れる場所
開幕早々、
アリーナど真ん中列だから、ステージのセンターがどう頑張っても(頭が)邪魔で見えない
という致命的な欠点に気づかされたせいで、周りの様子おかしい歓声を理解するのに一瞬遅れた。モニター眺めて気づいた。
平山さんしかステージに立っていないということに。
「主演なんだから開幕ソロはありうる」
正直予想していたPはそれなりにいたと思う。なんら不思議ではない選択肢だった。
「主演なんだからそれくらいしてもらわないと困る」
そんくらい思ってたPもいただろうし、僕はそう思ってた。
でもね、予想はあくまで”予想”なんよ。頭で理解してるだけ。
目の当たりにして変な声出たあたり、やっぱり僕はどこかで保険を掛けてたんだなと思った。
「ふつう」ってヤツは、どこまでいっても足を引っ張るのだ。
常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない
アインシュタインはこんな言葉を残した。
アインシュタインにしろ、麗花さんにしろ。天才肌の人らは、「ふつう」って言葉に一家言あるらしい。
今回のライブは「THE ふつう」で、今年の周年テーマは「青春」。
公演が終わった今だから言えることだけど、初っ端からドヤ顔で言うてたんじゃなかろうかと思うんです。セトリ作る人らは。
「キミらが今まで見てきたライブは、これからは”ただのコレクション”です」
「なんの実用性もない、思い出の品々になります」
こんなカンジの尖ったことを。
僕にとって「ふつうではない」開幕は、僕の「ふつう」の根深さを縁取っていたし、それは容易にひっくり返せることを端的に示していた。
ミリオンに触れてから衝撃的なシーンはいくつもあったけど、間違いなくこの瞬間もそうだったと思う。
あと「ふつうではない」で思い出したけど、エグイくらい声出てたね。
「こんなにコール曲だったけ?」ってくらいにはすごかった。特に上手側。
あの瞬間に紅白応援Vしてたら、問答無用で白組に軍配を上げてたくらいにはすごかった。
この主演公演が変則的な開幕となったことについては残念ではあるけれど、それはそれとして“麗花さん公演だったからこその文脈”もあったなとは思う。
ミリオン最直近の単独ライブとなった、10th Act-4。
39人で繋いだソロ曲メドレーの果てに飛び立った「未来飛行」の先が、この12thの空に、麗花さんの手に、触れていたような気がしてね。
こじつけも甚だしいことは重々承知しているけど、与えられたものの中で最大限ポジティブな解釈をしたいと思う。我が担当なら、きっとそうするだろうし。
第一ブロック
M2.The world is all one !!
M3.サマ☆トリ ~Summer trip~
M4.ランニング・ハイッ
M5.春風満帆スターティング
M6.Supersonic Booster!
全体的に楽しいナンバーが並んだこのブロック。麗花さんらしい”風”や”爽やかさ”をテーマにしていたように思う。
初手『M2.The world is all one !!』はさすがに思想。ミリシタ実装済とはいえザワワンするわ。
開幕ソロ単独→麗花さん特別衣装→初手AS!?
驚きの連続で楽しかったね。
麗花&美也のフワフワボイスで歌われた『M3.サマ☆トリ ~Summer trip~』は、もうダメ。楽しすぎる。夏というか違うところにトリップしそう。
常々思ってるんですが、この曲が“ミリオンライブ外に広がっていない現状”があまりにも損失だと思うんです。
「ゴールドディスク」でも「モンドセレクション」でも何でもいいから箔つけて布教すべきだし、軽率に他ブランドにも布教すべき楽曲だと思う。夏が恋しくなりそうな真冬にそんな越境イベントないすかね?ね?
『M4.ランニング・ハイッ』はかなり予想外だったけど、モニターのステンドグラス演出と絡めた選曲だったんじゃなかろうか、と走り終わってから気づいた。
両日含めて天体曲がそれなりに披露されていただけに種明かしがほしいところ。ひとつの解釈としては「かおつむ含めた4thライブの再現」とか?
からの『M5.春風満帆スターティング』。がっつりコール曲の連続でさらにヒートアップした会場は、ライブ初披露『M6.Supersonic Booster!』で最後まで超ハイペースで駆け抜けていった。
あと今回のあべりかさんの髪色、メッチャよかったな。
第二ブロック
M7.ふたり繋ぐ星座
M8.待ちぼうけのLacrima
M9.リフレインキス
M10.piece of cake
第二ブロックはしっとりバラードブロック、と思いきや
「 (^ω^≡^ω^) 」オッオッオッー オッ オッオッオッー
『M9.リフレインキス』の名采配。
リフキスなんてなんぼあってもいいし、担当の「ねぇ……しちゃう?」を堪能する権利は万人に平等にあるべきなのです。そうあれかし。常々思ってるんですが、この曲がミリオン(以下略)
このブロックは分かりやすく「愛」を描いていた。それはセトリを見てもそうだし、現地のモニターに映っていた「窓」の演出からも分かる。
開け放した窓に揺れるカーテンの下で歌われた『M7.ふたり繋ぐ星座』。
上部にほんの少しだけ隙間を残して木板で塞がれた『M8.待ちぼうけのLacrima』。
勝手に「深窓マドモワゼルと平民のロマンス」みたいなベタなストーリーを想像してしまった。「あの隙間越しにチューとかするんでしょ?」とか思ってたらリフキスだからね。メッチャしてるわぁ……
『ふたり繋ぐ星座』の歌唱は、のり子・風花さん・静香の3名。
ペンラも振らずにじっくり聴いてたけど、正直原曲とはまるで違うカバーだと思った。
原曲にある”壮大なスケール感”みたいなものは感じなくて、もっと近い、それこそ肌と肌が触れあうような”等身大の温もり”を感じさせるトリオ歌唱だった。人が変わればこんなに聴こえ方も変わるんだなーと感心したし、
「ソロであれだけの世界観をつくれる麗花さんってスゲーな」
ってなことを考えてたら
麗花さん主演公演で、麗花さんソロ曲を、麗花さんが歌っていない
という常軌を逸している采配にまったく気づかなかった。反省1。
第三ブロック
もう一番わからんブロックです。大概のことはこじつけれると自負してるけどマジで分からんかったし今も分からん。
『M11.追憶のサンドグラス』は、まぁいいよ。まぁまだ分かる。LTPの縁もあるだろうしね。めっちゃビックリしたけど驚かんよ。
『M13.バトンタッチ』→『M14. 赤い世界が消える頃』
まぁわからん。まぁわからんがわかるよ。
そんな落差のバトンリレーはAct-3の原嶋さんとべーせんのバトンタッチくらい目を疑うけどわかる。
ミリオン楽曲を四象元に分けたら対極にいるような曲同士の繋ぎがまかり通っていい訳はないけどわかる。
僕がわかっていないだけで何かストーリーがあるんだろうからいいことにしよう。
『M12.君のままで』
いやわからんわからん……ホントごめんなさい、どちら様でしょうか??
初出アニマスの円盤特典CD???
あっ…『生っすか』にも入ってる……
失礼しました、私の落ち度です…………
へ?AS含め未披露????
そんなレア曲がここで?????
Youは何しに12thへ???????
てな訳で終始わからんし、いろいろ調べた方が謎が深まる魔のバミューダトライアングル。それが第三ブロックです。
APかっしーも言っていたけど「ミリアニ曲を単なる楽曲」として披露した意味は大きいと思う。
ここまで(特にこのブロック)で痛感したけど、これからのミリオンライブは無法。聖域なきミリオンライブになるはず。
ライブ未披露、オリメン未披露、個々のアイドルやユニットと堅固に結びつく、いわゆる専用曲……。
僕らが勝手にラベリングして、勝手に固定化して、勝手に聖域に仕立てた概念。
そういったものは、もはやおもちゃです、ミリオンライブの。
俺には見える。亜利沙公演で
「聞いてくださいよ!プロデューサーさん!!最近このアイドルちゃんたちがスゴくてですね!!……」
とかフンスフンスしながら、他ブランドのアイマス曲を歌い上げる彼女の姿が。
合同ライブに参加するくらいの心の準備が、これからのミリオンには必要なんじゃねぇかな。
第四ブロック
あれだけ10thツアーで干され最終兵器と化していた『M15.Welcome!!』先輩のご登場に京王アリーナは火がついたように発狂。
勘弁してほしいくらい、よう声出てた。板挟みにされる僕の鼓膜の身にもなってほしい。
これはお気持ちでも何でもなく、Act-4で披露された時に「ここまで来れたよ!」が無かったことが個人的に残念だったんです。
そういう”小さい忘れ物回収”もできて嬉しかったかな。僕は知らなかったけど、「クレブルver」ってやつだったんすね。
そんな偉大なWelcome!!大先輩を前座にして『M16.エンダーエンダー』。
配役を掴み取った麗花さんとロコによるデュオ。少しばかり寂しい披露にはなってしまったけど、麗花さんの”がなり声”をしっかり堪能できたと思えば悪いことばかりでもない。
リアルライブゆえの”生々しさ”のせいではあるけど、改めてアイドルは「生き残りゲーム」なのだと思った。なんなら演者さんの世界だって、僕らの世界だって似たようなもんだ。
少ない椅子を奪い合う。
どの世界でもそのルールは変わらない。
だからこそ、
迷わずに飛び込んで dark night
待ってても変わらない 変わらなきゃ
生き残っていくための「進化や革命」といったメッセージを、強烈なロック&TKサウンドで促してくれたんだろう。
待望の『M18.My Evolution』だったね。
8thライブでおそらく最も割をくった楽曲。『盆踊り』や『ジャンパ』といった“ミリオン最強レベルのコール曲”に勝るとも劣らない秘蔵っ子。
最近実装されたとはいえ、やっと日の目を浴びる日が来た。
オリメンが揃うことは難しいだろうけど、この地で回収できたことは素直に嬉しかったな。
本当にコロナの罪は重い。
高市さんに請求してもらおうぜ。
んで、やっぱやっっべぇぇの
もう大脳新皮質全開。地獄の窯の中。ノドちんこEvolution感じてたよ。「右も左もわからんコール」とはこのこと。
俺はいったい何を叫んでいるのか、何回叫んだのか、なぜ叫んでいるのか、どうしてまだ叫ぶのか
そんな疑問も理性も未来も捨て去って、思考を「Yeah」に最適化して、もはや一介の「Yeah」botと化して、それでもまだステージは「Yeah」を煽ってくる。
あの世には地獄が8つあると言います。
等活地獄、黒縄地獄、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄、阿鼻地獄。
この日、京王アリーナに新たな地獄が誕生しました。
Yeah Yeah地獄です。
顔グチャグチャにして、少しでも声出してくて真上向いて、もはやステージも何も見てなくて、聞こえてくる鬼たちの煽りに合わせて「Yeah」と叫ぶ。叫び倒す。
そういう簡単なお地獄です。
それだけしなくちゃいけなかったんだ、あの瞬間は。「叫ぶ」という行為以外は罪でさえあった。そうしなければならなかった。
何故かって?
そんなの決まってらぁ。
好きなものは大好きだとめいっぱい
あの地獄にあった、唯一のルールだからだ。
高い金払って、半日かけて東京まで来て、どうして「余力を残して帰る」。そんな馬鹿なマネができようか。
どうして「めいっぱい愛を叫ばずにいる」。そんな罰当たりなことができようか。
好きなものに、好きって伝える。
それはこの世界で一番素敵なことなんだ。
せっかくライブに来れたのだから、俺は素敵でありたい。
誰しもがそうあってほしい。
たとえ地獄に堕ちようとも、オタクの道は踏み外してはならない。
……つい熱くなってしまった。思い出すだけで血のたぎる時間だった。
おかえり、『My Evolution』くん。
俺のためにも、頻繁に披露されるくらいには成長してくれよな……
デデ~デデ~デ~デデデ~ン♪ デ~デデ デデデ デデデッデ
\Fuuuuu/
コイツみたいに。
『マイエボ』の鮮烈デビューに、負けじとやって来たのは『M19.花ざかりWeekend ✿』。これは仁義なき戦いだった、完全に。
野生のオオカミには厳格な序列があるという。
マイエボ君という新参者に対して、
誰がミリオンで最強か
ボス自ら叩き込みに来たんです。BOTならぬBOB(バトルオブ爆あがりソング)。
ぴらみさんの内なる狂犬が牙を剥いた瞬間であった。わりと近い八王子の匂いがそうさせたのだろう。
披露の度に言いますが「器用な後輩をまとめて どーん!」は、内なる喪黒福蔵を解き放つのが楽しさの秘訣です。

ちょっちょさん、あべりかさん、べーせん、すーじー、こっこちゃん、野村さん。
群れを成して”””理解らせに”””やって来たのは、この6匹。
あれれ~いちばんだいじな人がいないぞ~??
見たら分かる名推理ぶちかましたところで、待てど暮らせどぴらみ来ず。
困惑しつつ、コールしつつ、ぴらみ砲候補を探すことが急務だった。
◎ベーセン
○アベリカ
▲スージー
ここまでは絞った。幾ばくも残っていないグリコーゲン絞り出して絞った。ワイドBOX3点で勝負。
さぁ来るぞッ!来るぞッ!来るぞッ!来るぞッ!落ちサビが来るぞォォォォォ!
さぁ!!
だれっ!かぁな!!
イットォショウ!!!
☆ピラミ
まさかまさかの爆穴『ご本人登場』である。
ふっざけんな。最終コーナーと直線しか走ってねぇじゃんか。審議だろ。
いや言い訳させてほしいんだけどさ、僕だって配信見てたら気づいてたよ。モニター見てたら分かったよ。「ド真ん中空いてんだから出てくんじゃないの?」ってことくらい。
現地でモニターとか見たくないじゃん?ましてや「花ざかり」だぜ?瞼の裏側くらいしか見る機会ないじゃん?現地で気づくのは無理あるじゃん?モニターが僕を見ている時、僕はモニターを見ていないのだ。
私のぴらみ砲への想いはここに込めた。だから詳細は省く。暇があったら読んでほしい。
ぴらみ砲は翼を授けられた。
もはやどこに飛び出すのか、どう飛び出すのか見当もつかない。
ミリオンライブと共に歌い続けられるであろう『花ざかり』、そして「ぴらみ砲」。
その今後に期待したい。
M20.Irodori
息つく間もなかった第四ブロックに、突如として爽風が吹いた。
聴き馴染みのないメロディー。ステージに立つのはただ一人。
新曲だぁぁぁぁぁぁ!!!
左斜め前からそう聞こえた。名も知らぬ心の代弁者だった。
ドゥルドゥードゥードゥードゥウドュ ドュルドゥドゥン♪
ギュァオン(ピュァオ)♪
この突入、あまりにも鳥肌。あまりにも爽やか。あまりにも翠。あまりにも風。ミスチル来たんか思うた。
北上麗花ソロ5曲目
『Irodori』。
自然体の麗花さんを感じる軽やかな一曲。そして、本公演の核となる楽曲だ。
現地でかなり”無邪気”な印象を受けたけど、この曲が麗花さんからの「おねだり」だったからじゃないかな?
普通って名前の特別が
今、私を彩ってる
本公演の象徴のような言葉だと思う。
麗花さんが「THEふつう」と言ったライブは、僕にとっては刺激的で、なんとも鮮やかな色彩を帯びていた。ならば、その逆もありえるはずだ。
僕にとっての「ふつう」が、誰かにとっての「特別」であることだってね。
徹底的に「他者肯定」してくる本曲にあるのは、きっと麗花さんなりの「もったいない精神」。
僕らから見てふつうじゃない麗花さんが、僕らに向ける視線もふつうじゃない。
僕らが後ろ手に隠す”それ”を、麗花さんは”恨めしい目”で見つめている。
そしてきっと、こう言ったんだ。
「み~~つけた」
いや無理あるだろ、この解釈。
M21.FIND YOUR WIND!
僕らが巻き起こした”逆ウェーブ”に乗って、全員で歌唱したのは『FIND YOUR WIND!』。
ソロ、デュオ、ヌル、ソロ、いっぱい。
ソロ曲だけでようこんなに可能性を魅せられるもんですねぇ。ソロ曲だけでいっぱい遊べるドン!!
ゴールはまだわからないけれど
スタートラインここだよ
このフレーズを全員で歌う意味よ……未来飛行Part2やんけぇ…………
偶然の一致にしては美しすぎた文脈だった。楽しい思い出しかないんだけど、唯一と言っていいくらいに緩んだ瞬間だったね。
本公演のハイライトと言える場面だったけど、これだけ刺さったのは「麗花さんの主演公演」だったからだと思う。
この公演は、とても軽やかだった。
麗花さん成分の濃い内容なのだから当然そうなるだろうし、バイアスのせいもあっただろう。
私の耳に触れる言葉たちは、いつもより軽かった。彼女に触れるものはみな、重力を失うらしい。
「主演公演」は、
担当Pでない方が楽しいんじゃね?
そんくらい思った。
担当Pにはもちろん担当Pなりの感慨があるだろうし、それは担当外の僕には分かんない感情だろう。
だけど、得るものはすごくあるライブだったと思う。
担当Pは見慣れた「ふつう」は、僕にとっては「ふつうじゃない」。
これだけ濃いライブなんだもん。各アイドルの魅力の一つや二つくらい、誰でも発見できるような気がした。
主演公演制、マジでヤバイかも。
ENCORE
アンコール1曲目は『M22.蝶々むすび』。そしてライブの締めは…………『M23.Flyers!!!』。
「もはや『Thank you!』さんとて安泰ではないんだな」と、改めてすごい時代の到来を感じてた。最後の最後まで驚きっぱなしのライブだったよ、本当に。
「麗花なら『飛びたい!』って……」
最終MCでそう言うた後の会場の空気、ビンに詰めて持って帰りたかったな。
そのための風船だったんか。
持って帰ればよかったなぁ……
『Flyers!!!』終盤、金テープの代わりに”ヌルっと”降ってきたのは「風船」。
後ろへ風船を回すため、そっちが楽しそうだったから……
色々理由はあっただろうけど、風船がバフンバフン飛び交う中での大団円。実に”非現実的な光景”だったね。
決して、
「いやっ!風船もらっても持って帰られへんよ~」
みたいな押し付け合いではなかったからね。
僕はそういう気持ちでやってないからね、断じて。
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