『Crossing!』歌詞考察 ~Beyond @crossing~

ミリオン
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まえがき

『Crossing!』収録のベストアルバムが発売となりました。合わせて配信も。

3/11.12に開催された
「豊洲ぼうさいFestiv@l2023」でフル尺が流れたという情報を聴いた時、

「おまっ…マジふっざけんなよ……」

と憤ったのも、今となっては良い思い出です。

あの期間中は地方民には苦行でしたね。
いっそ、各都道府県に相模原市と豊洲を置いてほしかった。

 

9th補正のおかげで、フル披露前から思い出がいっぱいな本曲。

Gameサイズでも涙腺緩むのに、フルなんて聞いた日にゃどうなることか。

戦々恐々としておりますが、私のミリオンライブ10周年はこの曲から始めたいと思います。

『Crossing!』
作詞:唐沢美帆
作・編曲:堀江晶太

 

※歌詞考察のつもりが、終盤はお気持ち表明みたいになっちゃいました。苦手な人は辞めといてね。

 

考察の前に

ミリオン初のベストアルバムに収録された本曲。

“グリマス”,“ミリシタetc”,“周年曲”3商品に分かれています。

全120曲という”ベストアルバム”の意味を問いただしたくなるボリュームですが、”ベスト”と言うだけありどこから聞いても死角なし。

ここに入ってない名曲も数多くありますし、ミリオンライブの歴史の厚みを感じます。

アイドルマスター ミリオンライブ! | Title | Lantis web site
アイドルマスター ミリオンライブ!

たいがいサブスク解禁曲ですので、「ベストアルバム買う程では……」って、新人Pは自分でプレイリスト作ってもいいんではないでしょうか。

 

作詞・作曲両名共に周年曲経験者。

作詞の唐沢氏は
ミリシタ2周年曲『Flyers!!!』。

作・編曲の堀江氏は
ミリシタ1周年曲『UNION!!』。

歌詞については追々語るとして、過去周年曲には見られない硬派なサウンドが印象的な本曲。

歩んできた過去を思わせるエモい歌詞に反して、前に向かってひた走るアイドル達の姿が思い浮かぶ疾走感あふれる曲調。

そう思わせるのが『ESPADA』同様、終始力強く刻まれているドラム。

私の琴線ごと爪弾いてくる早弾きのギターサウンドも凄まじく涙腺に来る。

Aメロ前や落ちサビ前後なんて、
いかにも「幕開け」ってカンジ。

 

何が言いたいかって言うと、
曲としては前しか見てない印象を受けるってこと。

 

「さすが、堀江曲。」

「『Clover Days』はいつライブ披露するんですか、ミリオンライブ公式様。」

と思わずにいられません。

ミリオンも生バンドライブしてほしいよね~。

 

歌詞考察

もう少しこう何というか…手心というか……

唐沢氏も仰っているように、ミリオン10年分の歴史を感じさせるフレーズが、そこかしこに散りばめられています。

初試聴時、「ひゃくまんパワー」で匂わせておいてからの、唐突な「”UNION!!”」とかいう劇薬フレーズ耳に突っ込まれて「エンッ!!!」って目と鼻がやられました。

「刺激臭は手で仰いで嗅ぎましょう」って、中学の時に習いませんでしたか?

 

しかも、ミリオンに限らずアイマス初期のネタまで。

 

さすが、10周年曲。殺る気が違う。

『Thank you!』,『UNION!!』など分かりやすいものから、歌詞は違えどエッセンスだけ抽出したものなど様々。

十人十色の受け取り方があると思うので、歌詞を眺めて探してみるのも楽しいと思いますし、誰かと答え合わせをするのも面白い気がします。

個人的に面白いと思ったのは、本曲の最初と最後の単語の対比。

最初が「Thank you!」
最後が「MILLION LIVE!!!!!!!!!!」

『Thank you!』で踏み出した1歩(1年)が、「MILLION LIVE!!!!!!!!!!」という10歩(10年)を形作る

刷新されたミリオンライブロゴっぽくも見えるので、目で見て面白い仕掛けだと思います。

「このためにロゴ変えたんちゃうか?」と邪推してます。

 

そんな劇物みたいな曲に目と鼻の粘膜やられながら何度も聴いてると、ふと思ったんですよ。

これミリオンの曲じゃないな」と。

 

時の交差点

現在と過去と未来が交差する本曲において、何度も聴くうちに気になってきた歌詞があります。

目指す先は色とりどり無数の道
寄り添い離れては

すれ違う時の交差点

過去周年曲を連想させるフレーズを用いて、過去と現在と未来の違う時間軸の交差点となる楽曲。

それが『Crossing!』という楽曲だと思っていましたし、「時の交差点」という歌詞だと思っていました。

ちょっと想像してもらいたい。

「時の交差点」って言う単語を聞いて、どんな交差点を思い描きますか?

私は“立体交差”みたいなものを想像するんです。都会の高速道路のJCTみたいな。

ご丁寧に直前の歌詞に

「目指す先は色とりどり無数の道

個々人で歩む道が違うと書いています。

時間軸の違う道が3次元の世界で交わる事ってないと思うんです。

このMVみたいにしようと思ったら
「時の交差点」って、そんな立体交差を上から覗き込んだ時。

2次元的な視点だと思うんです。

 

つい先日、ミリ3rdのBD全集を買いました。
10thツアーの予習もかねて。

その当時はグリP辞めてたので、当然リアルタイムで見てた訳じゃない。

だけど画面に映し出されるライブ映像を見て、その当時のP達と似たような感情を抱いてたと思っています。

 

時を超えて、場所を超えて。
画面越しに同じ感情を共有する。

「時の交差点」って、そういうものじゃないかと感じます。

それってそのまま、
画面越しに感情を共有してる我々に似ていると思うんです。

そんなことを考えてると、本曲終盤に出てくるこのフレーズ。全く以て意味合いが違く聴こえてきます。

 

シアターデイズ 飛び越えて奏でよう

 

2→3.0

「劇場を飛び出す」

そういったメッセージ性を持つ楽曲は多くありますし、そういったイベントだって数多くありました。直近の「MTS」なんて、まさしくそれでしょ。

だけど、
「シアターデイズを飛び出す」

私が知らないだけかもしれませんが、「シアターデイズ」という単語が歌詞中に出てきたことってないと思うんです。というか、ミリシタ内で聴くのってタイトルコールくらいだと思う。

直訳すれば「シアターでの日々」ですから、素直に「10年という歳月の向こう側へ」と受け取ることもできます。

ただ、そう聴こえてこないんですよね。
聴けば聴くほど。

ミリオンライブの世界で
「シアターデイズ」と口にする意味。

現在のアイドルマスターが置かれた状況。

その2つを鑑みると、

バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

アイマスの歴史の中で見ても特異な。
大きな交差点がちらつくんです。

 

ご存じかとは思いますが、
この「PROJECT IM@S 3.0 VISION」。

「複合現実への挑戦」が、
ひとつ大きなテーマとなっています。

2次元の広がりに、3次元の立体感を与える。
「見る」から「いる」

そんなコンセプトです。

 

そんな「3.0 VISION」のキックオフ。
「2nd VISION」の集大成。

それが先月行われた、
「MOIW2023」。

このライブで見せられた光景はハッキリ言って異常でした。

当たり前のように越境してくるアイドル。
性別やブランドの垣根を超えたコラボ楽曲。

私が持っていた他ブランドへのぼんやりとした境界線。

そんなものをいとも簡単に消し去る、熱狂のライブでした。

 

この熱狂の光景は「3.0 VISION」の副次的な恩恵になりうるんじゃないかと思うんです。

地面に描かれた白線を、造作も無く跨げるように。

アイマスの描く理想像は
「みんなまとめてアイドルマスター」
なんだなと。

 

Beyond @crossing

そう思わせる最たる歌詞が、これ。

私が何度聴いても涙目になる、このフレーズ。

 

Thank you!
あの日 生まれた声の架け橋が
きっと後を行く 誰かの道も繋ぐ

 

アイドル達の“後を行く人”って誰?

この歌を聴くPが思い描く“後を行く人”って誰?

 

合同ライブを経た今なら、こう思うんです。

“これからミリオンライブを知ることになる人たち”だと。

田中さんは
「シャニマス 芹沢あさひ」のキャストさんです。

声優デビューが2016年なので、この頃は本当に駆け出しの時期。

「TH@NK YOU for SMILE!!」

あの日生まれた声の架け橋は、確実に一人の声優さんに。「芹沢あさひ」という後を行く”誰か”に繋がったと思っています。

 

このミリ4thと同じく、武道館で行われたミリ9th。

衝撃的なシーンは数多くありますが、DAY2で歌唱した『LEADER!!』の衝撃は凄まじいものがあったと思います。

ミリオンライブの所信表明と感じる選曲だったし、中身も挑戦的なライブでした。  

ASの後輩として、10年間進んできたミリオンスターズが歌う『LEADER!!』。

“先輩”がいる限り”後輩”というポジションは変わらないと思いますし、今後”先輩”になる可能性もそう高くはないと思っています。ミリシタ内では。

私は『Clossing!』という楽曲。

ミリオン10周年記念曲であると共に、

新しい時代が幕を開けた「アイマス全体」への
「ミリオンライブ」からの所信表明

だと思っています。

 

我が765プロには他事務所にはない、大きな特徴があります。

ASとミリオンスターズ。

2ブランドが交わっているという特徴です。

ミリシタを開けば当たり前のようにASとシアター組がいて、当たり前のように関わり合ってる。

「越境」という点で見れば、どのブランドよりも先達であると感じています。

そんな彼女たちが新時代に負う役目。

ブランドとブランドのクロスオーバー。

その旗振り役として姿を見せ続ける事だと思っています。

 

ASが手を引いてくれたように、
ミリオンも”誰か”の手を引いてあげたい。

たとえそれが、
後を行く、名も顔も知らぬ”誰か”であっても。

たとえそれが、右と左。
別々の道を歩んでいく”誰か”であっても。

 

“シアターデイズ”を飛び越えて。

 

この解釈が全てとは思いませんし、作詞家さんが想定した意図だとは微塵も思ってはいない。

どちらかというと逸脱した解釈だとは思ってる。

こういう受け取り方をしてしまったよ、ってだけの話。

この結論に着地した以上、ミリPである私もこのスタンスで他ブランドを応援していきたいと思う。

私自身、他ブランドについてはデイリーやる程度のライトユーザーでしかない。ミリオン程の熱量はない、ってのが現状です。

ただ、同じ”プロデューサー”として、敬意は表したいなとは思う。

進むコンテンツは違えど、“同じゴールを目指している”ことには変わりありませんし。

あとがき

毎年ハードルが高くなる周年曲。

お世辞抜きに
“歴代最高の周年曲”だと思っています。

これだけ過去の歩みを匂わせておいて、これだけ“未来”を感じさせる楽曲になる。

作詞・作曲家さんはやっぱりスゲーし、そう思わせるミリオンライブはスゲー。

まぁ、止まれ言うても暴走してるトンチキコンテンツです。

ミリオンライブらしい、ごった煮エモエモ周年曲だと思います。

 

ミリオンライブ10周年。

待望のアニメも始まりますし、運営の施策を見ても力の入れ具合を感じます。

きっと、後を行く誰かが現れてくれることでしょう。

 

愛を たくさんの愛をくれたひと達の
エール それこそが奇跡だって思うから…

『Crossing!』

娯楽のあふれた現代で、
“ミリオンライブ”に出会うということ。

それって奇跡的な確率だと思います。

そんな奇跡が敷き詰められた架け橋が、ミリオンライブが歩んだ軌跡。

 

Let’s get a chance
次の奇跡 探しに行こうよ
今日よりもっと輝ける

『Let’s get a chance』シャイニーカラーズ

ミリオンライブ10周年。

ひとつでも多くの奇跡を探しに、頑張っていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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