まえがき
百瀬莉緒ソロ1曲目
『Be My Boy』。
収録CDは「LTP05」。
楽曲も然ることながら、カードイラストがバカいいんだ。
覚醒後のポップな背景と物寂し気な表情の対比がたまらんし、覚醒前イラストの莉緒らしからぬ表情はいつ見てもハッとさせられる。
勝手に妄想して勝手に空回りして思い悩んでいる。そんな想い人に恋焦がれる大人びた表情を魅せてくれています。
ちなみに。
私は『Be My Boy』というタイトルと、曲中に何度も出てくる「Baby」が混ざって、『Be My Baby』でタイトルを覚えていました。
そんな勘違いPは少数だと思いますが、「あれ、どっちだっけ?」と困った際に役立てて下さい。
歌詞考察
タイトル
『Be My Boy』というタイトル。
私は「莉緒の中にある少女性」に対する「少年性(Boy)」。
そういうタイトルだと思っていました。
ただ、向こう世界のファン目線で言うとたぶん違くて、黒ちゃんもスカウトするくらいには”大人の色香”を漂わせるアイドル。
「私の”男の子”にしてあげる」
そんな「恋愛強者」的な見られ方もされてるとは思うんです。
どちらが正解とかではなく、どちらでも捉えられそうなタイトルだとは思いますね。後述しますが、どちらの要素も色濃く描かれていますし。
8頭身のラブソング
カードイラストの通り、大人な距離感に苦悩する女性。そんな歌詞が並びます。
人様に語れるほどの恋愛経験は私にはありませんが、この一連の流れとかスゲー分かりみ。
「今どこにいるの?」
『Be My Boy』
そんなの聞ける距離じゃないし
「今なにしてるの?」
知りたいけれど不自然かな
送る直前に 何度も消して打ち直して
メールの返事に いったい何分かかってるんだろ?
馴れ馴れしすぎず、他人行儀すぎない。
そんな文章を考えてると、色々な考えが頭の中をよぎって「相手はこうじゃないんだろうなー」。
そんなネガティブな思考に辿り着くんよね。
よく聞く恋愛テクニックとして、
あえて返信を遅らせる。
あえて待ち合わせに遅れる。
みたいなものを聞くけど、この主人公にその意図はなさそう。
むしろ、“焦り”すら感じます。
それはメールを打っては消してを繰り返していることからも見て取れるし、そんな時間の浪費に対して「何分かかっているんだろ?」と自嘲していることからも伺えます。
とても、恋愛ゲームを楽しんでいるようには見えません。
「なぜ人を好きになると、こんなにも苦しいのでしょう?」
『ミュージックアワー』ポルノグラフィティ
それは心が君のこと急かして蹴飛ばしているからで
彼女が真に恋愛強者であれば「何分かかっているか」を自問することはありえないはずだし、ましてや焦る必要なんてない訳で。
この1フレーズだけ見ても、相手のことを「好き」と感じていることが存分に伝わります。
No No No No
『Be My Boy』
着信ばかり気にしてしまうのも
No No No No
眠れない夜に君を思い出すのも
No No No No
言葉のウラ深読みしちゃうのも
No No No No
君に恋したせい
彼女自身、そんな意味のない行動を“恋”だと自覚していますし、サビでは
Baby 会いたいよ
『Be My Boy』
Baby 気づいてよ
言えないけど Be My Boy
伝えたいよ Be My Boy, Baby
…I Love You
全ての動詞が「~したい」。
彼女の“希望・欲求”に過ぎないことからも、焦っている割には行動できていない。恋愛特有の”もどかしさ”を感じさせます。
等身大のラブソング
そんな訳で「もどかしさ」が大半を占める楽曲ですが、Cメロ部分だけは明らかに毛色が異なります。
ドキドキが止まらない
『Be My Boy』
キラキラが眩しくて
ワクワクを期待して 会いにいこう
ぐるぐるはもうやめた
ハラハラを刺激にして
いますぐ送信!
一目見て一線を画している。
明らかに歌詞が幼い。
まるで“少女”のような言葉遣い。
先刻までのシリアスさはどこへやら。
成人女性が放つ言葉とは思えない言葉遣いだけど、こと恋愛において「行動できる」というのは大きな武器。
どれだけ好いていても、それは他人からは見えない訳で。それを伝えるには、やっぱり形にするしかないんよ。
これを”成長”と呼ぶか”退行”と呼ぶか。私には分かんない。
だけど、”恋愛”においてプラスに働くだろうということは、私の乏しい経験則からも導き出せる。好意を伝えられて嫌がる人間なんて、基本的にいないだろうし。
そんな彼女の変化はラスサビにも表れています。
明日もしも君に会えたら
『Be My Boy』
笑って言いたいよ
「君のことが好きだよ」
理由をつけてメールで聞くことすらためらっていた彼女の姿はもうありません。
「君のことが好きだよ」
口に出して伝えることを誓っています。
小学校で習うことだけど、
“「」(カギ括弧)”は“会話”を表す記号。
本曲で「」が付くフレーズは3つ。
ラスサビのフレーズを除くと、
「今どこにいるの?」
「今なにしてるの?」
「文章」として一度は形にした、このフレーズしかありません。
「カッコつける」ってのは、大事なことですね。
あとがき
最終的にはいい具合な所に着地しましたが、直前になって臆病風に吹かれることもあるでしょう。
「君のことが好きだよ」
やっぱ、化粧ノリ悪いから無理~♪
ってな感じで、
『Be My Boy~Season2~』が始まる可能性が無きにしも非ず。
そうならないようにお祈りしときましょう。
ソロ1曲目『Be My Boy』。
実に莉緒らしい楽曲ですね。
お時間あれば、2曲目も楽しんでやってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント