『KING of SPADE』歌詞考察

ミリオン
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まえがき

少し肌寒くなってきた今日この頃。

少しずつ秋の移ろいを感じます。

一瞬で過ぎ去って、すぐに冬が来るのでしょうが。

冬といえば、ミリオン9thライブの詳細が発表となりましたね。

8thライブ「Twelw@ve」から約1年。

愛をあげたり、もらったり、あげすぎて改名された方もいたり……。

振り返りきれません!!!
(美咲ちゃん並感)

9thはミリオンの聖地「ぶどーかん」での公演。

この時のためにP会員になってるようなもん。

是が非でもご用意致してください。
アソビストア様。イープラス様。何卒。

『KING of SPADE』
作詞・作曲:宮崎 まゆ
編曲:賀佐 恭洋

 

考察の前に

延々くるりしてる「ミリシタ夏祭り2022」の中で一部先行公開した後。

例のごとく
「MILLION THEATER SEASON RADIO #14」でMVが公開されました。

コメント欄で「欅坂っぽい」というコメントを見掛けて、激しく同意してました。

パッと見オシャな曲調に、反抗的なメッセージ性の歌詞。

いま聴いても、そう思います。

紬がいるからかもしれませんが、
『夢にかけるRainbow』味も感じています。

 

スペード曲の共通点として、良い意味でも悪い意味でも「個」というテーマがひとつ挙げられると思います。

ミリシタ界のスーサイドスクワッドは利己的だろうし、メンヘラも相手の事はお構いなさそうだし。

今年の周年曲『夢にかけるRainbow』も、「個」をフューチャーした楽曲でした。

冒頭述べた9thライブのタイトルも
“ChoruSp@rkle!!”。

現在進行中のソロ曲CDシリーズ、
「M@STER SPARKLE2」を彷彿とさせます。

1年以上かけたシーズンイベントの最後を「個」に持っていくことで、9thライブに繋げるという意図と思ってます。

 

歌詞考察

井の中の蛙

いつのまにか迷い込んでいた
見張られた箱庭のような世界
逃げ出したいのに 扉開く
勇気さえ出ないなんて

生きていればそこかしこに転がっている理不尽や不条理。

「常識やルール、マナー」と言ってもいいかもしれません。

守らなければ非難され、抗えば叩かれる。

そんな「見張られた箱庭」で生きていく彼女たちの息苦しさが語られています。

どうでもいい話ですけど、GREEに「ハコニワ」ってゲームがありましたよね。

俺のクリノッペ、生きてるかな?
ミリシタにおりそうだな、コイツ。

『踊り子クリノッペ』GREE

 

顔のない群れに 歪められたreal
心の声はどこへ?
本当の自分を 見失うその前に
立ち上がるの

皆と同じような言葉を振りかざして、皆と同じものを叩く。

「叩くbot」と化した人たちに、自分の意思なんて高尚なものは皆無でしょう。

顔という個人を象徴するアイコンの無い、無個性の群れ。

そんな「顔のない群れ」は彼女らに暗い影を落とします。

現実の炎上騒ぎでも、初期アカウントでの投稿は見慣れた光景です。

それに対する皮肉とも捉えられます。

 

アイドルの由来は、
「Idol=偶像」から来ています。

ファンから求められるもの。
Pから求められるもの。
自分が求めたいもの。

それらが合致していれば万々歳ですが、そう上手くはいきません。

あるのは矛盾の生じたreal。

グラビアの仕事ばかり取ってくるP。
完璧な自分と現実とのギャップ。

自分の意に沿ぐわない事でも、”プロ”である彼女たちは求められるアイドルを演じます。

“本当の自分”とはかけ離れていても。

 

本当は泣きたくて 誰よりも臆病で
心はこんなにも脆くて
同じ涙いくつ流してもまだ
変われない 変わりたいのに何故?

『ホントウノワタシ』田中琴葉

“演じる”と言われて、パッと出てくるのは琴葉です。

優等生として周りから認識され、本人もそれを自覚し応えようとする。

家を出てから、家に帰るまで。

人の目がある場所で常に演じ続けている彼女の苦悩は、この歌と重なるものがあると思います。

 

ここまでの話は、何もアイドルに限った話ではありません。

会社で、家庭で、学校で。

それぞれの場所にルールがあり、それぞれの役割が与えられているはずです。

私もこのブログを読んでいるあなたも。

この冒頭部分だけでも、今を生きる全ての人に刺さる楽曲だなと感じます。

 

どれだけ走り続けても まだ
灰色の世界は広がっていく
答えはもうとっくに分かってる
自分で切り拓かなきゃ

もやの中 進むような
手探りの毎日
“タラ””レバ”じゃ 探せない
私のフロンティア

『夢にかけるRainbow』

2曲の2番Aメロ部分の歌詞を並べました。

何となく似ていると思いませんか。

共通しているのは、
進めど進めど先の見えないような暗い世界観。
進むべき場所がここには無いことを自分では理解していること。

 

誰かの言いなりの操り人形じゃ
感情も消えてしまう
鏡に映ってる私は誰
さあ 思い出して

現状に抗おうとしなければ、苦しい思いをすることもありません。

ただ、それは自分を押し殺すという事。

「顔のない群れ」に加わることと同義です。

「鏡の中に映ってる私は誰」という歌詞は、
そんな群れに彼女たちが迎合しかかっているということ。

自分を見失いそうになっているということ。

なんか『千と千尋の神隠し』みたいな世界観。

キービジュアルのガラス片に映った顔は、そういう意図だったのかもしれませんね。

鏡の中 知らない私が
こっち見つめてる

『ホントウノワタシ』田中琴葉

言いたいことを的確に言葉にしてくれる、この仕事ぶり。

シジミ汁おごってあげたい。

 

されどぱわほーに井戸ぶっ壊す

誰かが創り上げた ”自由”の中で生きてる
本当はもっと広い大空で
羽ばたいていたいのに
誰にも崩せない強さが欲しい

彼女たちの暮らす箱庭も、所詮だれかに創られた”自由”でしかありません。

鳥かごの中の鳥が見る空。
井戸の中の蛙が見る空。

ただの風景にしか過ぎない空ですが、外に出たいと思う者には、その空がより青く見える事でしょう。

それ故、あると分かっているのにたどり着けない苦痛は計り知れません。

だからこそ、求めるのはそこに至るための手段。

ここでは
「誰にも崩せない強さ」を欲します。

届かないなら箱庭ごと、ぶっ壊して外に出る。

やはり、力こそ正義。
力はすべてを解決する。

 

矛盾だらけの今を すべて切り裂いて
偽りの自分を 脱ぎ捨てていこう
惑わせる声には”No”と返すわ
切り札はこの手に

他の誰でもない自分信じて
この声枯れるまで叫び続けよう
こんなにも小さな剣でもいつか
未来を変えるなら…

draw my sword
KING of SPADE

箱庭の中は窮屈に違いありません。

しかし、人間は慣れる生物。

不平不満を抱えながらも、それなりに生きていくこともできるはず。

 

彼女たちに、その選択肢はありません。

誰かが作った箱庭に、自分を合わせるのはうんざり。

「手つかずの自由」を求めて、外の世界へ向かいます。

その結果が必ずしも、良い方向に向かうとは限りません。

井の外の大海に絶望することもあり得ます。

海の広さに 望みを失おうと
それでも笑う 明日への刃になるはずだと

『Rebellion』我那覇響

そもそも、挑戦しなければ見る事すら叶わなかった景色。

今はまだ小さな剣を、”DIAMOND JOKER”を掲げて。

力強く、強かに進んでいってくれることでしょう。

 

仮に挑戦が失敗に終わろうとも考え方次第よ。

箱庭の中で
死んだように生きるか。

箱庭の外で
生き生きと死ぬか。

みなさんはどちらを選びたいですか?

 

あとがき

今更ですが、
「箱庭=シアター」と考えても面白いかもしれませんね。

シーズンイベント自体、全国各地を巡るイベントでしたし。

最近、新しい試みをなされているミリシタ運営様の攻めの姿勢にも通ずるものがあります。(一部、狂気じみたループ配信などありますが……)

まあ、シアターで歌おうもんなら、げき子ちゃんが黙ってないでしょうけど。

 

終盤にきて、シーズン曲でもかなり刺さる曲が来てしまいました。嬉しい悲鳴です。

残るは全体曲のみ。

全体曲については、本当に甲乙つけがたい位どのグループも素晴らしいと思ってます。

期待感しかない。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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